Instagram新規閲覧数がなんと127倍。今までタッチできなかった層にアプローチして「デニーズ」が実感した、インフルエンサーマーケティングの効果

Instagram新規閲覧数がなんと127倍。今までタッチできなかった層にアプローチして「デニーズ」が実感した、インフルエンサーマーケティングの効果

50周年を迎えたファミリーレストラン「デニーズ」。カジュアルで満足度の高いレストランとしてさまざまなシーンで利用されてきました。日本を代表する飲食チェーンであるこのレストランも、最近ユニットのサービスをトライアルで導入。

実際にその効果を感じていると言います。今回は販売促進 総括マネジャー諏訪美紀子さんにインフルエンサーマーケティング、SNSマーケティングの手応えやメリットを語っていただきました。

  • 導入企業様の詳細
  • 会社名:株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
  • 所在地:東京都千代田区二番町4番地5
  • 店舗数:「デニーズ」全国に300店舗強(2024年1月現在)
  • 公式サイト:https://www.dennys.jp/

300店舗以上を有す「デニーズ」の意外な弱点。日々、感じていた新しいマーケティングの必要性

――「デニーズ」は2024年で50周年を迎えられるということですね。おめでとうございます。

諏訪さん:はい、ありがとうございます。いま、50周年記念ということで、これまでのご愛顧に感謝し、さまざまなキャンペーンや商品を展開しているところです。これまで「デニーズ」では、モーニングメニュー、ランチメニューという時間帯別メニューの導入や、アレルギーをお持ちの方でも食べられる食事など、それまでになかったサービスを、時代の変化に対応して取り入れてきました。旬の食材を使った料理から定番メニューまで幅広い商品をそろえたレストランとして、おかげさまで多くの方にご利用いただいています。

――今回ユニットを活用いただいたきっかけを教えてください。

諏訪さん:自分たちから一方的に情報発信するだけでなく、ユーザーであるお客様ご自身に発信いただくこと、UGC(ユーザー生成コンテンツ)をマーケティング活動に活用する必要があると日々、感じていました。私たちがこれまでアプローチできていないお客様にも「デニーズ」の情報に触れてもらい来店していただきたい。何か新しい手段はないかと探していたときにユニットと出会ったんです。

――「アプローチできていない」部分があったというのは少し意外な気がしました。

諏訪さん:デニーズのユーザーのメイン層は、30代の女性や、その少し上の世代のお客様です。この層のお客様には一定アプローチできている一方で、10代、20代のお客様の取り込みについては、少し課題がある弱いと感じていました。

今まで行ってきたSNSの広報活動は、大きく分けて3つのパターンがありました。1つ目はアカウントの運用。これは、「デニーズ」を思い出してもらい、お客様とブランド店との関係性を構築する意味を持ちます。2つ目はキャンペーンの展開。3つ目はSNS上での広告で、これは既存のアカウントフォロワーと関係なく情報を投下することができるのが利点だと感じていました。これらに加えて新しいチャレンジが必要だと思っていたんです。

新規顧客のアカウント閲覧が1万から127万に。数字で実感したインフルエンサーマーケティングの効果

――インフルエンサーマーケティングを活用いただき、どのようなことを感じましたか。

諏訪さん:インフルエンサーマーケティングは、今まで私たちがタッチできなかった方に情報を届けられるという点から、先ほど挙げた3つの中では3番目の「広告」に近いですね。それに加えて、自社のアカウントのロイヤリティを高めることにも貢献したと思います。広告で取りたかったところと、運用で取りたかったところの二軸の効果を得られているのではないでしょうか。少しずつですが、こうした効果を感じています。

――実際にはどのようにご活用されましたか。

諏訪さん:季節のデザートとしてマスカットのフェアを展開した際にインフルエンサーに来ていただきました。これまでユニットでの募集企画を4回行っているのですが、Instagramのアカウントの閲覧数で、新規流入の数値が大きく跳ね上がりました。これはまさに今まで私たちの販促活動では触れることのできなかった方たちだと感じています。さらにそこからデニーズのアカウントの投稿を見てもらうことで、フォロワー増加にも影響があったと思っています。

――数字レベルでも効果を実感できるものだったのですね。

諏訪さん:デニーズのインスタグラムのアカウント閲覧数の新規の流入が1万くらいだったのが127万、つまり127倍になりました。フォロワー以外の方が「デニーズ」のアカウントを見てくれたということで、この数字の高まりはすごいですよね。

グルメ特化型だからこそ伝えられた「デニーズ」での「ちょっといい体験」

――効果を実感いただけたようで大変うれしいです。どのような点が効果につながったと感じてらっしゃいますか。

諏訪さん:まず皆さん本当に写真がお上手! そしてすぐに投稿してくださる。ユニットにはグルメに特化しているインフルエンサーが多いことも大きいと感じました。期待以上の写真や動画を上げてくださり、私たちにはできない発想や、こういう撮り方があるんだ!という驚きがありました。

応募してくださった方の中から普段の投稿内容や、「デニーズ」との親和性も含めて選ばせていただきました。「デニーズ」を通して「ちょっといい体験」というイメージの投稿をしてほしかったのですが、まさに希望どおりだったように思います。エンゲージメントがとても高いんですよね。

また、うれしかったのが、企画のリピーターになってくださる方が複数名いたことです。毎回手を挙げて来てくださる方や、企画関係なくプライベートでも「デニーズ」にいらして投稿してくださる方もいる。そういうことも含めて、インフルエンサーマーケティングに挑戦してよかったと思っています。

――お店のアンバサダー、ファンが自然と増えることを実感いただけたのは大変うれしいです。実際の投稿についてもお聞かせください。印象的だった投稿はありましたか。

諏訪さん:ある方はおこさま連れでいらして、おこさまの商品も写りこませて「ママが頼むのはコレ」と、実際にあるシーンを想像させる訴え方をしてくださった。インフルエンサーは箸の上げ方ひとつにしても違う!いい角度を知っているんだと思いました(笑)。

インフルエンサーとの時間は最新マーケティングの勉強……。情報拡散以外のメリットとは?

諏訪さんは社内資料として、インフルエンサーマーケティングの効果をきれいにまとめていた。数字以外でもメリットがあったと話す

――数字の部分以外で感じたメリットがあれば教えてください。

諏訪さん:改めて社内でもUGCが大事だということを考えるきっかけにもなりました。一定数のフォロワーがいるインフルエンサーが投稿してくれると、これだけの反応がある……。私たちの投稿では得られない効果があることを多くの人に理解してもらえたように思います。また、大きかったのは、私たち自身もとても勉強になったということですね。

――どのようなことでしょう?

諏訪さん:インフルエンサーさんには試食会という形で来ていただいたのですが、私たち販促の人間もその場に必ず立ち会うようにしています。インフルエンサーさんはInstagramなどSNSの最新情報を持っていらっしゃるので、それを直接伺えたのはよかったです。「デニーズ」のアカウントをどう運用したら良くなりますか?といった質問をしたり。最新のマーケットの勉強になりましたね。

――なるほど!そのような活用方法も有効ですね。

新しい販路、活路で叶えていく、「シーン」や「ストーリー」を伝える販促活動

――「デニーズ」のように高いブランド力を誇るお店でも、インフルエンサーマーケティングに挑戦する意義はあったと感じていらっしゃいますか。

諏訪さん:爆発的にというよりはじわじわと効果を感じるものかと思っています。「デニーズ」の今までのメインターゲット層は、SNSのメインユーザーとは少し離れていたので、リアルな媒体や店舗での販促が多かったのですが、インフルエンサーマーケティングをすることで新しい販路、活路を見いだせた。それは、とてもよかったですね。新しい層にアプローチする方法。先ほどお話ししたSNSにおける3つの施策、アカウント運用、キャンペーン、広告に加えて1つの新しい方法ができたというイメージです。

――これまでは、ファンを増やすとなると、広告やPRなどマスに訴えてきたわけですが、お話を伺うと、改めて今は違ったアプローチも重要だと感じました。

諏訪さん:そうですね。これまでは情報を投げる作業がメインでしたが、お客様側から投稿してもらう、情報を挙げてもらうことも大事だと感じています。新しい商品の情報をコンテンツに落とし込むのが販促の基本ではあるものの、その商品を食べてもらうお客様にどういう気持ちになってほしいのか、商品を通じてお客様にどうなってほしいのか……シーンやストーリーの部分をしっかり伝えていく必要があるように思います。

お客様一人一人に「自分ごと」にしてもらいたい、私たちの情報を「自分ごと」と感じていただきたい。それが今一番大きな課題だと感じています。そういう意味で、ユーザーに近しい存在のインフルエンサーの投稿は大切ですね。ストーリーなどをうまく伝えてくれるように感じています。

――「自分ごと」というワードが出ましたが、まさにインフルエンサーマーケティングはそこにアプローチできるものだと思います。

諏訪:そうですね。ユニットのサービスは、コストを抑えながらも少しずつでも着実に効果があると社内では納得しています。まだトライアルの段階ですが、毎月1回程度の頻度でうまく活用していきたいと考えています。

――本日は貴重なお時間、ありがとうございました。

今回は皆さんおなじみの人気チェーンのSNSマーケティング、インフルエンサーマーケティング活用事例を伺いました。お話の中で印象的だったのが、「新しい活路」という言葉です。すでに多くのファンを持つお店でも、まだまだ伸び代があり、ファンを増やせる可能性があると感じました。ユニットはこれからも情報発信、さらには新規ユーザー獲得に役立てるように尽力してまいります。